
アメリカ、ミネソタ州ミネアポリス近郊で
黒人男性が白人警官に拘束される際、
首を圧迫されて死亡したことをきっかけに
全米で人種差別に抗議する動きが広がっています。
“Black Lives Matter”を合言葉に
世界をも巻き込み大きなムーブメントとなっている
BLMについて、まとめてみました。
Contents
きっかけはミネソタでの事件
2020年5月25日メモリアルデーの夕方、事件は発生しました。
ミネアポリス近郊で、ジョージ・フロイド(George Floyd)さんは、
偽札を使ったとの容疑でデレク・ショーヴィン(Derek Chauvin)を含む
4名の警察官から車から降りるよう促されました。
警官3名はジョージさんの身体に乗り、
デレク容疑者はジョージさんの首を膝で押さえつけ
「I can’t breathe(息ができない!苦しい)」
と訴えるジョージさんの声に耳を傾けることもせず、
ジョージさんは死亡。
その様子は通行人によって動画に収められ、
SNSを通じて瞬く間に拡散されました。
デレク容疑者は異例の速さで逮捕。
その場にいた3名の警察官も関与が認められ、
事件翌日に解雇されています。
ジョージ・フロイド事件の詳細はこちら
デレク・ショーヴィン元警察官についてはこちら
ジョージ・フロイド事件に関与した元警察官4名についてはこちら
事件はこれだけではなかった
アメリカ、ジョージア州では、2020年2月に
ジョギング中のアマッド・アーバリー(Ahmaud Arbury)さんが
白人親子に銃撃され亡くなるという痛ましい事件が起こっていました。
しかしながら、5月に動画の存在が明るみに出るまで、
容疑者は逮捕されていなかったのです。
さらに3月には、新型コロナウイルスの感染が広がるなか、
医療に従事していたブレオナ・テイラー(Breonna Taylor)さんが
誤って警察に射殺されるという事件が起きました。
こうした一部の白人による黒人に対する、
暴行、殺人事件は後を絶たず、
これまでもSNSなどを通じ、
是正を呼びかける声は広がりつつあったのです。
ブレノア・テイラー事件についてはこちら
レイシャード・ブルックス事件についてはこちら
レイシャード・ブルックさんの「ガールフレンド」についてはこちら
Black Lives Matter
ジョージ・フロイドさんの一件を受け、
これまで溜まっていたこうした事件への反発が一気に爆発、
SNSでは #Black Lives Matter 運動が広がっています。
アリアナ・グランデさん、ジェニファー・ロペスさんといった
アーティストをはじめ、NikeやNetflixといった企業までも、
#Black Lives Matterを宣言、
なかには11月の選挙での投票を呼び掛ける人も多くいます。
ミネソタでのデモに対するトランプ大統領のツイート
一方、抗議デモが全米に広がる中、
トランプ大統領のミネソタ州知事に対する「軍がいつでも味方だ」
いざとなったら撃っても構わないという
脅しともとられるツイートが話題となりました。
twitter社により「このツイートは、
暴力を賛美についてのTwitterルールに違反しています」
という注意が付けられています。
I Have a Dream
アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者、
キング牧師がリンカーンの奴隷解放宣言100年を記念する
大集会において、あの有名な「I Have a Dream」という演説をしたのが
1963年8月28日のこと。
あれから60年弱が経ちますが、
キング牧師の夢は残念ながら、まだ道半ばといえるでしょうか。
今、アメリカで起きていることは、
決して対岸の火事ではないとわたしは思います。
隣人に思いやりをもって接すること、
そしてまずは自分自身を許し、大切にすること。
あらためて心がけたいと感じました。