
2020年3月15日に松竹芸能を退所したお笑いコンビTKOのボケ担当、
木下隆行さんが自身のパワハラ騒動について
謝罪する動画をYoutubeにアップしました。
ところがかえってそれが火に油を注ぐ形となり、
コメント欄は大変な炎上ぶり。
ここでは昨今、よく耳にする「パワハラ」について
あらためてその定義を確認してみたいと思います。
Contents
職場のパワーハラスメントとは
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
引用元:厚生労働省「あかるい職場応援団」 職場のパワーハラスメントとは
ここでポイントとなるのは、
必ずしも上司や先輩が加害者、部下や後輩が被害者とは限らないということ。
たとえば、不慣れな分野に配属された上司に対して、
部下が必要な情報を与えないなどもパワハラと認められる可能性があります。
パワハラの6タイプ
一口に「パワハラ」と言っても、
パワハラは主に6つのタイプに分類されるといわれています。
身体的な攻撃
たたく、殴る、蹴るなどの暴行で、もっともわかりやすいのがこのタイプ。
直接暴行をしていなくても、
その人に向けてドアをわざと大きい音でバーンと乱暴に閉める、
ボールペンや書類を投げつけるなども「身体的な攻撃」にあたります。
精神的な攻撃
同僚が大勢見る前で激しく叱責したり、
同様に同僚も宛先に含めたメールで罵倒するなどです。
個別の場合でも、何度も執拗に長時間にわたって叱る等、
精神的に追い詰めるような方法はパワハラにあたります。
人間関係からの切り離し
一人だけデスクを別室に移す、
会議などに、正当な理由なく参加させない、
送別会に声をかけないなど、
いわゆる「仲間はずれ」にすることです。
過大な要求
とても終わらない量の仕事を押し付ける、
経験や技術的に見て、難しい仕事を任せる、
その人の能力を超えた質や量の仕事に関する要求をすることが
この「過大な要求」にあたります。
過小な要求
これは「過大な要求」の逆で、
本人の経験や技術に見合わない仕事を押し付けることです。
例えば、ずっとコピーを取らせる、
営業や技術職の人に倉庫整理しかさせないなどです。
ひと昔前は「窓際族」と呼ばれましたね。
個の侵害
交際相手や家族についてなど、
プライベートなことを根ほり葉ほり聞く、
また悪口を言うなどです。
SNSをチェックして、それについて批判したり、
干渉したりすることも個の侵害にあたります。
2020年6月から施行「パワハラ防止法」
昨今「パワハラ」について声高に言われるようになった理由のひとつとして、
大企業に対し2020年6月から施行される改正労働施策総合推進法、
通称パワハラ防止法が挙げられるでしょう。
中小企業も2022年4月から施行されます。
これにより、職場におけるパワーハラスメント防止のために、
雇用管理上必要な措置を講じることが義務づけられます。
さらに、適切な措置を講じない場合には是正指導の対象となるのです。
誰もが気持ちよく働ける環境づくり
パワハラは、その被害者本人だけでなく職場全体に悪い影響を及ぼすことが
厚生労働省「あかるい職場応援団」の調査によりわかっています。
大企業のようなオフィスワークだけでなく、
お笑いの世界のように伝統的に上下関係が厳しい業界においても、
人権を侵害するパワハラは許されるものではありません。
職場に限らずとも、一人一人が関わる相手を気遣うことで
より気持ちよく生活ができる世界にしていけるのではないでしょうか。